2010年9月1日水曜日

No.1 「俺はイーブンな立場で君に接することにする」―48歳事業部長から28歳部下に  #shounintaishou

関係 = 直属の部下




相手の性別 = 男性

相手の資格 = 正社員



状況 = 28歳の中堅社員と出向先の新会社立ち上げで偶々、一緒になったのですが、彼はここに来るまで短期間で複数の部署を転々とさせられ、歴代の上長からもあまり評価されておらず、すっかり自身をなくしていて、私の目から見ても仕事上も社会生活上も決して立派な一人前とは言えない状況に本人も苦しんでいる様子でした。



伝えた言葉 = 最初に彼と二人で”一人前の社会人・会社人になる”という目標を決め、それに向かって日々なにをすべきか?色々プログラムを考えてOJTを進めていましたが中々成果もでず本人共々困惑していました。そんな時、”承認”の話に出会い、



『無能な人などは居ない、能力の使い方やその本質に気付いていないだけだよ。』


『過去の上長が君を見捨てようと、それは君の極一部しか見ずになされた決定だ


 と思って、俺はイーブンな立場で接する事にする』



等、事ある毎に声をかけ続ける様に心がけてきました。



部下の反応 =



こちらの姿勢を感じてくれたのか?『実は、かなり鬱気味で自分でも無能者

なのでは?と滅入ってしまって何もできなくなる・・・』との告白を受けました。

その後は元気な時は朝の挨拶から感謝、謝罪の挨拶等、きちんと礼儀正し

くできるまで表面的な成長はみせてくれましたが、やはり精神状態によって

は以前に逆戻りし”思考停止状態”になる事も多々ありました。そんな中でも

徹底的に相手の立場を”傾聴・承認” する姿勢を忘れずに接する事で漸く

自ら進んで”考える”姿勢が見受けられる様になりました。





後日談 =



彼にとっての目標”一人前の社会人・会社人になる”までにはまだ遠い道のり

が残っていますが、鬱の面ではカウンセリングに通う事で専門家のアドバイ

スをうけながら、仕事の面では行動する前に”一旦、考えてから実行する”事を

励行しつつ指示された内容の完遂とプラスアルファの成果をだそうと努力して

います。ある日、彼の机上をみると私が今までに言った心得や注意事項を

書き込んだメモがクリアケースの中に入れておいてありました。自分でも前向

きに取り組むきっかけをつかんでくれたみたいです。



コメント =



人の痛みや苦しみは生い立ちまで遡って徹底的に話を聞く事でようやくその

一部を垣間見る事が出来るものなのだ。と思い知らされました。今の業務が

そう忙しくない中で部下と二人で十分時間をとって話し合える環境であった事

も彼や私にとって幸運だったと思います。



ハンドルネーム = 1962_tiger

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